23年度FIT・FIP単価決定へ 住宅16円、低圧余剰10円、高圧250kW未満9.5円に

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23年度FIT・FIP単価決定へ 住宅16円、低圧余剰10円、高圧250kW未満9.5円に

2023年度のFIT売電単価とFIP基準単価案が固まった。入札を除く太陽光発電の単価はkWhあたり0.5~1円の減額となり、例年よりも小幅な引き下げにとどまった。(本誌・楓崇志)

調達価格等算定委員会は2022年2月4日に21年度の議論をまとめた意見を公表した。22年度のFIT売電単価やFIP(フィード・イン・プレミアム制度)基準単価は前年度に決定済みで、今回は23年度の単価などを固めた。

23年度の太陽光発電のFIT・FIP単価を、10‌kW未満の住宅用太陽光発電が前年度比1円減のkWhあたり16円、10‌kW以上50‌kW未満が同比1円減の同10円、50‌kW以上250kW未満が同比0.5円減の同9.5円とした。50‌kW未満はFITのみとし、50‌kW以上250kW未満はFITとFIPを選択できるようにした。FIPの場合は基準単価として適用される。

これまでFITの入札対象だった250kW以上には、22年度からFITの入札またはFIPを適用する。22年度が1MW以上をFIP入札のみとし、1MW未満をFIT入札と入札対象外のFIPから選べる形にする。23年度はその境界線を引き下げ、500kW以上をFIP入札のみとする。続く24年度には250kW以上全てを原則FIPのみとする方向だが、詳細については22年度以降の委員会で議論していく予定だ。

22年度のFIT・FIPの入札の実施回数は21年度と同じく4回で、上限単価は同10円、同9.88円、同9.75円、同9.63円と段階的に引き下げる。22年度初回の募集容量は1MW未満のFIT対象分を50MW、1MW以上のFIP対象分を175MWとした。

なお、250kW以上でも22年1月17日以前に設置済みの既築建物への導入であれば、入札制の適用を免除する。22年度は50‌kW以上250kW未満の単価である同10円で売電できるようにする。

また、10‌kW以上50‌kW未満の太陽光発電には20年度から地域活用要件を設け、自立運転機能の搭載や給電用コンセントの設置のほか、一時転用期間が3年を超える営農用太陽光発電以外は30%以上の自家消費利用を要件としてきた。22年度からは10~20‌kWの集合住宅に設置する場合、配線図などから自家消費を行う構造を確認できれば、自家消費要件を緩和する。

非FITの真価問われる

21年度の委員会では、第6次エネルギー基本計画で30年度時の電源構成における再生可能エネルギー比率が22~24%から36~38%に引き上げられたことを踏まえつつ、いかにコスト低減を促していくかが問われていた。とくに太陽光発電は、住宅用と事業用のいずれも新規認定量が減少しているうえ、足元の市場では太陽光パネルの価格が上昇し、半導体など材料不足によるパワーコンディショナや蓄電設備の需給逼迫が生じている。それらを踏まえ、太陽光発電協会は将来の自立化を目指すためにも25年頃まで現行単価の維持を要望していた。

結果として23年度の単価の下落幅は例年よりも小さく、それらを反映したと言えるのかもしれない。ただ、4月から始まる22年度の単価は1年前に決定しており、10‌kW未満の住宅用太陽光発電が前年度比2円減のkWhあたり17円、10‌kW以上50‌kW未満が同比1円減の11円、50‌kW以上250kW未満が同比1円減の同10円となる。

とはいえ、市場ではPPA(電力売買契約)方式など、FITを必要としない新規事業が立ち上がっているほか、〝非FIT〟の太陽光発電所の開発も活況を呈し始めた。どこまで具体化できるのか、太陽光発電産業の真価が問われる1年になりそうだ。