新電力の撤退相次ぐ。電力契約のセーフティネット「最終保障供給」とは?

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新電力の撤退相次ぐ。電力契約のセーフティネット「最終保障供給」とは?

新電力の事業撤退や新規受付の停止が相次いでいる。小売電気事業から撤退するだけでなく、倒産に追い込まれた新電力もある。契約中の電力会社がこのような事態になったら電力契約はどうなるのかについて解説する。

新電力の倒産件数は過去最多
新規受付の一時停止も相次ぐ

帝国データバンクは4月2日、新電力の倒産動向に関する調査結果を発表した。それによると、2021年度は倒産件数が過去最多の14件となり、廃業や事業撤退を含めると累計31社にのぼるという。

倒産した新電力で規模が大きいものには、ホープの子会社で小売電気事業を展開していたホープエナジーがある。ホープエナジーは、2020年12月から2021年1月にかけて日本卸電力取引所(JEPX)の市場価格が高騰したことで、約65億円のインバランス料金※を負担することになり、グループ全体が債務超過に陥ったとしている。

ホープエナジーは地方自治体や公共施設などの需要家へ電力供給を行っており、2021年12月末の時点の販売電力量は合計291,675MWhだ。このうち約6割が高圧の需要家で、残り4割を特別高圧の需要家が占める。

また、「エルピオでんき」のサービス名で小売電気事業を行っていたエルピオが4月30日で、「Natureスマート電気」を展開していたNature、ウエスト電力が6月30日で、それぞれ電力供給を停止すると発表した。

事業撤退ではなく、新規受付の一時停止を表明している新電力もある。シン・エナジーは低圧需要家の受付停止を3月17日に発表した。丸紅新電力も個人の需要家向けプランの新規受付を一時停止するとしている。(4月15日現在)

※インバランス料金とは、小売電気事業者があらかじめ作成した電力需給の計画値と実績値が一致しなかった場合の差分。小売電気事業には、電力需給の計画値と実績値を30分単位で一致させる「同時同量の原則」の遵守が求められ、この原則を守れなかった場合、インバランス料金を支払うことが定められている。

無契約なら最終保障供給に
電力契約のセーフティネット

契約中の電力会社が電力供給を停止する場合、需要家は新たな電力会社へ契約を切り替える必要がある。もし新しい契約先が決まらない場合には、一般送配電事業者の「最終保障供給」を受けることになる。

最終保障供給とは、需要家がどの電力会社とも契約のない無契約の状態になっても、電力の供給が停止しないようにする仕組みだ。電力契約のセーフティネットと位置付けられており、大手電力会社の標準料金メニューより2割高い料金に設定されている。

こうしたセーフティネットがあるため、どの電力会社とも契約していない無契約の状態になっても、即座に電力の供給が止まるということはない。とはいえ、契約中の電力会社による情報発信には注意を払い、万が一、供給が停止される場合には、新たな電力会社を探す心構えをしておいた方がよさそうだ。

DATA

株式会社帝国データバンク:「新電力会社」倒産動向調査


文:山下幸恵(office SOTO)