ソーラーシェアリングの進化形! 地産地消の木製架台は未来の風景をどう変えるか?

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ソーラーシェアリングの進化形! 地産地消の木製架台は未来の風景をどう変えるか?

ソーラーシェアリング用木製架台の開発・販売を手掛ける泉産業(東京都目黒区)が、新しい農業プロジェクト「みらいのはたけ」に懸ける思いとは。同社の濱忠弘社長に開発秘話と今後の見通しについて聞いた。

メイン画像:泉産業が新たに開発した木製架台によるソーラーシェアリングのCGイメージ。金属製架台を用いた従来のソーラーシェアリングとは異なり、農地の風景によく馴染む。

田園風景と調和する
自然素材の架台作り

木製架台によるソーラーシェアリングの俯瞰イメージ。

太陽光発電の架台といえば、アルミや亜鉛メッキなどの金属製が主流だ。そんな中、なぜ泉産業は木製架台を作るのか。

「太陽光発電のマイナスイメージを払拭したい。その選択肢の1つとして木製架台を提案した」と同社の濱忠弘社長はいう。

一部業者による乱開発を引き金とした発電所の倒壊などで、安全性や環境面を疑問視する地域住民による開発反対運動が増えている。濱社長もかつて、パネルメーカー社員として、そうしたことを深く考えずにパネルを販売してきた。

「直接開発に関わった訳ではないが責任を感じた」(濱社長)。

用地が減る中、開発の舞台は農地(ソーラーシェアリング)に移るだろう。乱開発させないのもさることながら、果たして無機質な金属パイプが並ぶ景色で農家に受け入れてもらえるのか。

そんな疑問から、濱社長は田園風景と調和する木製架台という、一つの答えに辿り着いた。

脱炭素社会という観点からも、アルミより木材の方が二酸化炭素排出量ははるかに少ない。また、地元木材を使えば地産地消にも貢献できる上に輸入材よりも運搬コストを抑えられる。

汎用性を高めるべく一般流通材の使用を目指したため、金属製と比較して耐久性がネックだった。

そこでデザイナーの佐藤寛之氏の協力を仰ぎ、試行錯誤して現在の形が完成。1号機のモックアップが宮崎県新富町のテストサイトにできた。


木製架台でも太陽光発電と農業のシェアリングが可能であることを証明するため、2021年5月、宮崎県新富町にテストサイトを設置。

農地の新しい風景=「みらいのはたけ」を作るという取り組みが評価され、「2021年度グッドデザイン賞」を受賞した。これをきっかけに、福岡県糸島市のグランピング施設からオフグリッドの自家発電用として注文が入るなど、ようやく第一歩を踏み出した。


架構の下で農作物を作付けし、太陽光発電と農業の両立を証明。

「木製なんて、といぶかしがられることもあったが、いずれソーラーシェアリングのスタンダードになるはず」と濱社長は意気込む。

同社の木製架台の下で農業が営まれる。そんな風景が全国各地で見られる日も近いかもしれない。


汎用性の高い杉材で、特殊な技能、工具を使わず簡易に施工。

 


柱頭で木口が露出する部分は胡粉(白色顔料)を塗り腐食防止。

トラクターの入る高さを確保

トラクター作業のため、ある程度の高さと長いスパンを確保する必要がある。一方で農地に影をなるべく落とさないよう、柱や梁の本数を減らしつつ金属製と同等の耐久性を維持。


耐久性に優れた柱頭接合部

軽量な小径木材をアルミ接合パーツで束ねて主要構造部材を構成し、腐食の起点となる仕口加工などを無くして耐久性、耐食性を向上。将来の部材交換やメンテナンスが容易に。


アルミ押出成形の接合金物と方丈で耐久性、耐食性を向上。

 

 

PROFILE

泉産業株式会社
代表取締役

濱 忠弘氏

太陽光発電業界で約20年経験を積んだ後、2015年に泉産業を創業。現在、全国10ヶ所で太陽光発電所を運用している。ソーラーシェアリングプロジェクト「みらいのはたけ」の座長も務める。

<みらいのはたけ>

問い合わせ

泉産業株式会社
本社:東京都目黒区大岡山1-29-36-202
TEL:03-6323-6031

CG・図面・テストサイト 関連写真:Copyright © 2021miraino-hatake. All Rights Reserved.


取材・文:大根田康介

SOLAR JOURNAL vol.40(2022年冬号)より転載

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