“おうち時間は再エネで” 再エネ新電力に切り替えよう!

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“おうち時間は再エネで” 再エネ新電力に切り替えよう!

いま、どんな電気を使っていますか――。 人と地球にやさしい電気? それとも、温暖化や環境破壊につながりかねない電気でしょうか? 電気に色は付いていないけれど、電気にはいろんな意味がつまっています。電気を選ぶことは、明日の社会のあり方や地球の未来を選ぶこと。コンセントの向こう側に想いを馳せてみませんか?

電気を選んで世界を変える

電力小売り全面自由化がスタートしてから、まる4年が過ぎました。皆さんは、もう電力会社を切り替えましたか。もし、まだの方がいらっしゃったら、再エネの電気を多く使っている新電力会社(新電力)や、再エネ比率の高い電気料金プランに切り替えてみてはいかがでしょう。既に新電力に換えたという方も、そろそろ電気料金プランを見直してみては。新電力から別の新電力に切り替えるのも、いたって簡単です。

ソーラージャーナルが考える電力会社選び・プラン選びのポイントは、「再エネ重視の会社」であり、「再エネ比率の高いプラン」であること。その理由は明確です。最大多数の電力需要家である一般家庭が「再エネの電気」を望めば、電力会社もそのニーズに応えるべく努力せざるを得ないから。そうなれば、再エネのさらなる普及拡大が、きっと加速します。

皆さんの中には、「一般家庭がどんなに再エネを求めても、電気をたくさん使う工場や大企業が再エネを志向しなければ、影響力は小さい」と思う方もいらっしゃるかもしれません。でも、それは違います。契約件数はもちろん、電力会社の販売額においても、低圧(主に一般家庭や中小商店などが属する電力区分)が最も多いのです。

電力・ガス取引監視等委員会の最新の発表(6月22日)によると、今年3月の国内全電力会社の販売総額は1兆1769億8641万2000円。そのうち低圧が6046億4204万5000円、高圧が3614億8235万5000円、特別高圧が2108億6201万2000円でした。

この数字から明らかなのは、低圧電力≒一般家庭こそが、電力会社に対して最大の影響力を持っているということ。私たち一人ひとりの意志と選択が、電力会社の姿勢を変えさせ、再エネへのエネルギー転換を促す原動力となり得るのです。私たちは、ただ流れてくる電気を受け取るだけの受動的存在ではありません。明日の電気のあり方を決める、電力の主権者なのです。

スイッチング率36.4%
87%が大手電力から新電力へ!

規制料金からスイッチングした割合


出典:電力・ガス取引監視等委員会

旧一般電気事業者(大手電力)の規制メニューから、自由電力メニューや新電力へのスイッチングは、自由化以降コンスタントに増え続け、2020年3月時点で1500万件を超えました。スイッチング率としては、地域間のばらつきはあるものの全国で36.4%に至っています(2回目以降のスイッチングもカウント)。

どこからどこにスイッチングしたかをみると、大出電力から新電力へは1314万件、新電力から大手電力へは57万件、新電力から新電力へは136万件でした。大手電力から新電力への切り替えが87%を占めますが、新電力間の切り替えも9%に達しています。

再エネ電力、どう選ぶ?

電力会社や電気料金プランを「再エネ」の観点から選ぼうとしたとき、実際には、何をみて判断すれば良いのでしょうか。

基本となるのは、「電源構成」です。気になる電力会社のウェブサイトで、ぜひ、そのプランの電源構成をチェックしてみてください。例えば、「LNG火力35%、FIT電気(太陽光)33%、水力17%、市場調達その他15%」などというように、そのプランの電気がどんな電源(発電方法)で構成されたものなのかが示されています。電力会社によっては、「地元の太陽光発電所の電気を調達している」など、より詳しい情報を載せているところもあるので見比べてみるのも楽しいでしょう。一方で、電源構成すら開示していないところもありますが、設立間もない電力会社を除いては、論外です。

その他、紛らわしい指標に「二酸化炭素排出係数(CO2排出量)」があります。ただ、その数値には原発も影響するので注意が必要です。再エネが多くても、原発が多くても、ともに二酸化炭素排出係数を良い方向に動かします。再エネと原発がごっちゃになった指標であり、誤解の元ともなっています。

電力会社選びやプランの見直しをするときには、どうしても価格だけに目が行ってしまいがちです。しかし、再エネだからといって電気料金が高いわけではありません。そして、そこには価格には還元できない価値があります。電気選びは、地球の未来を選ぶこと。再エネの電気を選んで、世界を変えていきましょう!

「FIT電気」って何?
太陽光・風力・地熱・水力・バイオマスなど再エネ発電所において発電された電気のうち、FIT(固定価格買取制度)を使って取引された電気のことを指します。FIT電気は制度上、再エネとは区別して扱われており、FIT電気を再エネとしてカウントするためは「非化石証書」や「グリーン電力証書」等と組み合わせることが必要となります。

再エネ新電力
ピックアップ

再エネ重視の新電力の中から、プランの一例をピックアップしました。他にも地域密着型の新電力など、魅力的なプランをもつ電力会社はたくさんあります。あなたの家にピッタリな再エネ新電力を、ぜひ探してみてください。

みんな電力

FIT電気と再エネに、非化石証書を組み合わせて再エネ100%を実現した「プレミアム100プラン」と、FIT電気と再エネ計75%の「スタンダードプラン」。

コープみらい

FIT電気にこだわった「コープデリでんき(FIT電気メニュー)」を展開。水力を加え、今年はさらに比率アップ。

浜松新電力

エネルギーの地産地消を追求する地域新電力。主に浜松市で発電された電気を、市内の家庭や民間企業、小中学校などの公共施設に供給。


取材・文/廣町公則

SOLAR JOURNAL vol.34(2020年夏号)より転載

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