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東北電力、使用済みパネルのリユース・リサイクルを推進。持続可能な仕組み構築
2022/09/30
東北電力が、使用済み太陽光パネルのリユース・リサイクルを推進する取り組みをスタートした。特別会員として参画する「PV CYCLE JAPAN」の一環で、廃パネルの効率的な収集や二次市場の開拓などに取り組む考えを示した。
持続可能な廃パネル管理を目指す
リユース・リサイクル効率化へ
東北電力は2022年6月から、使用済み太陽光パネルのリユース・リサイクルを推進する「PV CYCLE JAPAN(PVCJ)」に特別会員として参画している。同社は8月3日、PVCJの「地域収集モデル検討委員会」の委員長に就任した。使用済み太陽光パネルの大量廃棄という社会課題に取り組むことで、再生可能エネルギーの大量導入に努めたいとしている。
具体的には、同社が中心となって、使用済み太陽光パネルの効率的な収集や、適正なリユース・リサイクルルートの構築、二次市場の開拓などに取り組むという。これによって、持続可能な廃棄物管理の仕組みを構築することを目指す。
(出典:東北電力株式会社)
PVCJとは、EUにおける使用済み太陽光パネルのリサイクルに関して、適正な処理を推進する国際的な非営利団体PV CYCLEの日本パートナーだ。本部はベルギーにある。国内では、秋田県資源技術開発機構の一部門として2021年に設立された。
PVCJは、使用済み太陽光パネルのリユースやリサイクルを行う「リサイクラー」の認定を行う。行政や金融機関などのステークホルダーとともに、パネルの使用期間の最大化や最終処分量の最小化、資源回収量の増大などを目指し、活動している。メガソーラーなどの大型施設だけでなく、住宅などの小型施設においてもリユース・リサイクルを進めるとしている。
2030年代には年間80万トン排出か
使用済みパネルの資源循環に期待
環境省が発行した「太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン(第二版)」によると、使用済み太陽光パネルの排出量は年間約4,400トンにのぼるという。そのうち約3,400トンがリユースされ、約1,000トンがリサイクルまたは処分されている。2030年代半ばには、排出量は年間50〜80万トンに達するとみられる。
太陽光パネルには鉛などの有害物質が含まれる可能性があることから、管理型最終処分場に埋め立てるなどの特別な措置が必要であると指摘されている。そのため、適切な処分と同時に、廃棄量そのものを減らすリユースやリサイクルなどの取り組みが重視されている。今回のPVCJの取り組みによって、太陽光パネルの資源循環が促進されるよう期待される。
なお、2022年7月1日からは、再エネ特措法の改正によって、太陽光発電の廃棄費用の積立制度が始まった。FIT・FIP認定を受けた10kW以上のすべての事業用太陽光発電設備に対し、原則として外部積立が義務化されている。(参考『太陽光の廃棄費用、積立義務化が迫る! いくら? いつから? 徹底解説!|SOLAR JOURNAL』)