東京都、系統用蓄電池の普及へ 官民ファンドを立ち上げ

東京都、系統用蓄電池の普及へ 官民ファンドを立ち上げ

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東京都、系統用蓄電池の普及へ 官民ファンドを立ち上げ

東京都は、電力系統と接続して需給バランスをコントロールする「系統用蓄電池」に投資する官民ファンドを今年度中に立ち上げる。都は最大で20億円出資し、その他の資金は民間投資家から集める。系統用蓄電池への投資を促し電力系統の安定化を目指す。

運営事業者を公募
今年度中に立ち上げ

創エネ・蓄エネ推進ファンドのスキーム(出典 東京都)

創エネ・蓄エネ推進ファンドのスキーム(出典 東京都)

再エネの導入を推進するうえで、電力系統の安定化に貢献できる系統用蓄電池の社会実装を進めていく必要があるとして、東京都は、系統用蓄電池を投資対象とする官民連携ファンドを創設する。脱炭素化とエネルギー自給率の向上に向けた構造転換を図るため、エネルギーを「減らす(H)」、「創る(T)」、「蓄める(T)」、「HTT」の観点で取り組む施策の一環だ。

ファンドの名称は「創エネ・蓄エネ推進ファンド」。都が公募して選定する無限責任組合員(GP)がファンド運営にあたる。都は最大で20億円出資し、その他の資金は民間投資家から集める。投資総額は50億円以上が目標。

再エネ設備の出力制御が全国的な広がりをみせている。関西電力子会社の関西電力送配電は、6月4日に太陽光発電と風力発電事業者の出力制御を初めて実施した。東京電力管内でも今年のゴールデンウィーク期間中に、保険的な位置付けとして再エネ電源の出力制御の準備をした経緯がある。

ファンド運営事業者の公募は、今年4月28日から5月31日まで実施した。都の選定委員会が8月頃に審査を行い、9月頃に運営事業者を決める予定。運営事業者が今年度中にファンドを立ち上げる。

収益モデルの構築が
大きな課題

収益モデルの構築が 大きな課題

系統用蓄電池の仕組み(出典 東京都)

東京都は2022年度から、東京電力管内の電力系統に接続する蓄電池システムに対して、25億円を上限に導入費用を助成している。都は、新たに立ち上げるファンドを通して系統用蓄電池への投資を促し、再エネの拡大を目指す方針。系統用蓄電池は、需給調整市場や卸電力市場などから収入を得る必要があるが、ファンドを運営するにあたっては、収益モデルをどのように構築するかが大きな課題と言えそうだ。

DATA

東京都 創エネ・蓄エネ推進ファンド運営事業者の募集について

東京都の系統用大規模蓄電池導入促進事業


取材・文/高橋健一

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