太陽光発電所の盗難被害が急増 外国人グループの犯行か

太陽光発電所の盗難被害が急増 外国人グループの犯行か

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太陽光発電所の盗難被害が急増 外国人グループの犯行か

全国各地の太陽光発電所で、銅線ケーブルなどが盗まれる被害が急増している。群馬県では前年の6倍以上にのぼり、警察ではセキュリティシステムの導入などの対策を徹底するよう呼びかけている。

群馬県では
前年の6倍以上に

盗難被害が急増

夜間に人通りの少ない地域が被害にあうケースが多い

群馬県警察本部によると、県内の太陽光発電所で銅線のケーブルなどが盗まれる被害が、今年の1月から6月に約360件と前年同期の6倍以上に及んでいる。被害額は約4億3000万円。今年2月には、前橋市が運営している太陽光発電所で銅線のケーブル約210mが盗まれ、警察が捜査している。

今年7月には、藤岡市の山あいにある大規模太陽光発電所で銅線のケーブル約1.4km、金額にして1760万円相当が盗まれた。その後の調べで、カンボジア国籍の男5人が逮捕・起訴されている。犯行グループは、7月24日の深夜に送電用の銅線を市販の工具で切断し、車の大きさに合わせて切りそろえ、現場から運び出していたという。

全国各地で被害が相次ぐ要因としては、世界的に銅の取引価格が高騰していることがあるとみられている。夜間に人通りが少ない場所の中規模から大規模の発電設備を狙うケースが多く、警察では不法滞在している外国人グループが転売目的で犯行に及んでいるとみている。

太陽光発電協会が
異例の注意喚起

太陽光発電協会は今年2月に、太陽光発電設備のケーブル盗難対応についての注意喚起をホームページに掲載した。設備設計面では、下記のような配慮・対策を呼びかけている。

1.露出(コロガシ)配線はなるべく避ける
2.地下埋設配管とハンドホールのロック設計
3.フェンス・柵・鍵など防犯対策強化、草刈りにより所内が外から見えるように
4.セキュリティシステムの導入、侵入アラートシステムによる夜間監視
5.侵入者に対して光と音で威嚇する設備や記録可能な監視カメラの設置
6.監視システムのケーブル管路の保護など

運営面では、下記のような配慮・対策を呼びかけている。

1.ケーブル盗難異常検知と緊急駆け付け対応
2.近隣の方々や発電所間の防犯協力、地域共生の推進による防犯体制の構築
3.警備会社等を活用した防犯対応強化
4.動産保険ならびに休業損害保険等の加入による損害対策
(なお、防犯対策や対応が不十分な場合には保険が適用されない場合がある)

太陽光発電協会では、「事業者にとっての抜本的な対応が難しいなか、近隣の方々との治安協力・地域共生の推進や、定期見回りなどで効果を上げているケースもございます。太陽光発電設備のケーブル盗難対応については、より注意を払って頂き、社会のエネルギーインフラとしての責務を果たしていけるようにお願い申し上げます」としている。

10月18日(水)に開催する「特高・高圧運用セミナー」では、地域共生、災害や盗難のリスク対策、出力抑制など、発電事業者が抱える喫緊の課題を討論する。

DATA

太陽光発電協会 太陽光発電設備のケーブル盗難対応について


取材・文/高橋健一

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