農林水産業が非FIT後押し「営農型太陽光発電システムフル活用事業」とは

農林水産業が非FIT後押し「営農型太陽光発電システムフル活用事業」とは

https://solarjournal.jp/solarpower/38267/

農林水産業が非FIT後押し「営農型太陽光発電システムフル活用事業」とは

ソーラーシェアリングは、FIT認定の抜け穴ではない。「農業×電力」という原点は揺るぎない。農林水産業がスタートさせた、非FIT応援プロジェクト「営農型太陽光発電システムフル活用事業」とは。

農業経営の高度化に向けて

10年許可対象のソーラーシェアリングには、低圧規模であっても、全量FITが引き続き適用される。とはいえ、将来的にはFITからの自立が求められていることは、他の太陽光と変わらない。

農林水産省は近年、ソーラーシェアリングへの支援を幅広く行っているが、今年度からスタートした「営農型太陽光発電システムフル活用事業」は、敢えてFIT制度を利用しない「非FIT」の取り組みを後押ししようとするものだ。この事業では、ソーラーシェアリングで発電した電気を農業経営の高度化のために使用し、ソーラーシェアリングのメリットを営農面でフルに活用するためのモデル構築を図っていく。

2020年度はまず、路地の畑地で電動農業機械を導入する取り組みや、施設栽培において環境制御装置を導入する取り組みを対象とした実証調査を行っている。2021年度は、これに加えて、水田での調査が実施される予定だ。農林水産省としては、これら実証調査を通じて得られた情報や成果を整理し、ソーラーシェアリングでつくった電気を自家消費するための手引きを作成し、全国への展開を進めていきたい考えだ。

地産地消型の取り組みを

農林水産省食料産業局バイオマス循環資源課再生可能エネルギー室室長の川中正光氏は、同事業の背景を次のように述べている。

「太陽光発電は、これまではFIT制度を背景に拡大してきており、営農型太陽光発電の導入拡大も同様であると受けとめている。現在の全量売電のみの営農型太陽光発電の取り組みから、今後は各地の農地で発電した電気を自らの農業経営の高度化に利活用する自家利用型や地産地消型の営農型太陽光発電の仕組み作りが求められている。このため、今年度から営農型太陽光発電システムフル活用事業をスタートした」。

実証調査の対象

地区① 畑地

地区② 施設栽培

地区③ 水田

出典:農林水産省


SOLAR JOURNAL vol.35(2020年秋号)より転載

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