空港の脱炭素化、太陽光などを2030年度までに集中的に導入。国交省のガイドライン

空港の脱炭素化、太陽光などを2030年度までに集中的に導入。国交省のガイドライン

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空港の脱炭素化、太陽光などを2030年度までに集中的に導入。国交省のガイドライン

国土交通省が、空港の脱炭素化を推進するためのガイドラインを策定した。太陽光などの導入促進も盛り込まれ、全国の空港の再生可能エネルギー発電容量を合計230万kWにするという目標が明らかになった。

空港における脱炭素化を推進
カーポートや屋根置きの検討も

国土交通省は3月31日、昨年から検討していた「空港脱炭素化推進のための計画策定ガイドライン」を公表した。政府が掲げる2030年度までにCO2排出量46%削減という目標や、第6次エネルギー基本計画に沿って、空港の脱炭素化を大きく加速させたい考えだ。

新たに策定されたガイドラインは、空港の脱炭素化を進める事業者が計画を立案しやすいように組み立てられている。空港を脱炭素化するにあたって、再生可能エネルギーの導入を中心としながら、省エネを推進するとともに、空港車両や航空機そのものによるCO2排出量も削減することを求めている。

2030年度までの目標として挙げられたのは、各空港のCO2排出量を2013年と比べて46%削減するという、国の目標と同じ水準の削減目標だ。また、すべての空港への再生可能エネルギー導入量を合計230万kWとすること、空港施設や空港車両からのCO2排出量を年間30万トンとするといった目標も示された。

(空港の脱炭素化の推進のイメージ。出典:国土交通省)

2030年に向け太陽光導入を集中的に
自己託送やオフサイトPPAも活用

空港への太陽光発電の導入に関しては「平置き、カーポート及び建築物(屋根)等への導入検討を進めつつ、2030年度まで集中的な導入を促進する」とされた。導入スキームとしては、空港関係者が自ら設置する方法に加え、PPAモデルを活用する方法が提案されている。

さらに、太陽光発電を効率よく利用するため、複数の空港間で余剰電力を融通し合うという手段も提示された。余剰電力を融通するには、自己託送や小売電気事業者を活用したオフサイトPPAが適当であると述べられている。

2021年10月に改訂された第6次エネルギー基本計画では、空港の脱炭素化に向けた取り組みの1つに「空港施設・空港車両のCO2排出削減等の取組を推進するとともに、空港を再生可能エネルギー拠点化する方策を検討・始動し、官民連携の取組を推進する」としていた。これを受け、今回のガイドラインでは、空港関係事業者などで構成する協議会が空港の脱炭素化の主体となることも想定している。

こうしたガイドラインの策定によって、2030年度に向け、太陽光発電を軸とした空港の脱炭素化が飛躍的に加速すると期待される。

DATA

国土交通省:空港脱炭素化推進のための計画策定ガイドライン(初版)


文:山下幸恵(office SOTO)

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