ライセン、N型HJTモジュールを市場投入。PPA事業、案件開発、海外進出もサポート

ライセン、N型HJTモジュールを市場投入。PPA事業、案件開発、海外進出もサポート

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ライセン、N型HJTモジュールを市場投入。PPA事業、案件開発、海外進出もサポート

ライセンエネルギーが、超高効率N型HJTモジュールを日本市場に投入する。さらに、今後はコンサルティングにも注力し、顧客企業の課題解決に幅広く取り組んでいくという。日本支社を牽引する若きリーダー、呉建鋒社長に聞いた。

PERCの限界を超える
超高効率N型HJTモジュール

ライセンエネルギーはこの秋、PERCモジュールの限界を超える新たな高効率モジュールを日本市場に投入する。5月27日に開催した弊誌主催のPVビジネスセミナーにおいて、日本支社の呉社長がその概要を発表し、大きな注目を集めた。

今回、同社がリリースするのは、単結晶210mmセルを採用したN型HJTモジュール「Hyper-ion」だ。最大変換効率22.9%を実現し、最高出力は700w以上を誇る。HJTとは、Hetero Junction technologyの頭文字をとったもので、ヘテロ結合技術を意味する。

HJTモジュールは表裏対称の構造であるため、裏面の発電効率にも優れており、これまでにない高次元での両面発電が可能。また、温度係数が低いという構造上の特性をもつため、同じ出力でも、より大きな発電量を得ることができる。さらに、ライセンエネルギー独自の封止技術により、年間劣化率を0.25%に抑えている。


HJTモジュールの構造と優位性


HJTモジュールなら裏面の発電効率にも優れており、面積あたりの発電量を飛躍的に高めることができる。

HJT出荷実績、連続世界一
技術革新により低価格を実現

これまで高効率モジュールの代名詞ともなっていたPERCの変換効率が限界値に近づき、大手モジュールメーカーの間では、さらなる発電量アップを目指す研究開発が競われてきた。そうしたなか、HJTは次世代標準の1つとして注目を集めていたが、PERCに比べて生産コストが割高であることが大きなネックとなっていた。

ライセンエネルギーは、技術革新と生産ラインの拡充等により、HJTモジュールの低コスト化をも実現した。今後は順次、PERCからHJTへと、製品ラインナップを切り替えていく方針だ。

「じつは当社は、2019年からHJTモジュールの開発生産を行っており、2020年・2021年にはHJTモジュールの出荷実績で世界一となっています。ただ、これまでの製品は158mmセルを使ったものでした。一方、今回発表した製品は、当社PERCモジュール同様に業界最大の210mmセルを採用しており、キロワット時あたりのコストを効率的に削減できるものとなっています」と呉氏は語る。

同製品には、グローバルな実績に裏打ちされたHJTへの知見と、いち早く210mmセルの量産化に取り組んできた同社ならではのノウハウが集約されているのだ。

屋根上のPPA事業に最適な
小型モジュールも市場投入

ライセンエネルギーは、住宅など小規模な屋根に向けた小型モジュール「TITAN(タイタン)S」の販売も開始している。同製品は、縦1754mm×横1096mm、重さ21kgと小型軽量でありながら、最大変換効率21.3%、最高出力410wを発生する。ブラックフレームタイプも用意し、景観との調和にも気を配っている。

呉氏は、この製品は「PPA事業者のご要望にお応えしたもの」であるとして、その理由を次のように述べる。

「周辺の景色に溶け込む色とコンパクトなデザインにより、一般住宅やコンビニなど街中の小さな屋根にも、気兼ねなく容易に設置することができます。また、高い発電効率により、PPA事業の収益性アップに貢献します」。

 前述のHJT700Wが発電量を重視した大型モジュールだったのに対し、この小型モジュールは屋根上の有効活用を徹底追及した製品。ライセンエネルギーは、幅広いラインナップで、多様化する日本のニーズに柔軟に対応する。

グローバルな実績を活かして
日本企業の3大課題に挑む

ライセンエネルギーは、2017年に日本支社を設立して以来、日本でも着実にモジュール出荷実績を伸ばしてきた。しかし、「当社はモジュールメーカーではありますが、お客様にご提供できるものは製品だけではありません」と呉氏は言う。

「中国本社はグローバルなEPC企業としても知られており、大規模な電源開発から自家消費システムの構築まで、世界中に数多くのプロジェクト実績を有しています。私たちには、豊富な経験に基づく、多様な問題解決能力があります。これからは日本のお客様の課題解決のためにも、その能力を役立てていければと考えています」。

 では、日本の顧客はどんな課題を抱えていて、ライセンエネルギーは、それをどう解決しようとしているのか。呉氏は、課題は大きく分けて3つあるという。

「まず1つめが、既にFIT認定を受けている案件について。どのように建設すれば発電量を最大化できるのか、収入を増やせるのかと悩んでいるお客様がいます。そこに対しては、世界中いろいろな環境で発電所をつくってきた経験を活かして、土地に合わせた製品の配置の仕方など、設計のところからお手伝いいたします。

 2つめは、海外進出に関してです。太陽光の適地が少なくなっていくなか、大手商社をはじめ海外の太陽光発電に投資しようとする企業は少なくありません。しかし、現地でのID取得や建設の進め方など、進出する国ごとに異なり、苦労されているようです。私たちは、それぞれの国でのプロジェクト経験を活かして、日本企業の海外進出をサポートします。

 3つめは、FIP制度やPPA事業への対応です。FIT頼みの事業から脱却し、新しいビジネスモデルをどう構築していけば良いのか、多くのお客様が悩まれています。私たちは、各国様々な制度のもとで自家消費案件を多数手掛けており、PPA向けシステムの構築についてもノウハウの提供が可能です」。

この先も太陽光発電に取り組んでいこうとする事業者にとって、ライセンエネルギーは、コンサルティングにおいても頼りになる存在になりそうだ。


世界各国で得たノウハウを日本企業に提供

土地所有者に投資家を紹介し
国内案件開発の活性化に貢献

同社の取引先には国内外の投資家や開発事業者も多く、日々様々な問い合わせが寄せられてくるという。呉氏は、「土地を持て余しているオーナーに対して、出資希望者を紹介していきたい」とも話しており、国内案件活性化に向けたビジネスマッチングにも期待が高まる。

「資源価格が高騰する状況にあって、電力を安定的に確保し続けるためには国産電源を増やしていかなければなりません。再生可能エネルギーの導入拡大は、脱炭素化はもちろん、日本のエネルギーセキュリティのためにも急務だと考えます。当社は今後も、モジュールメーカーとしてコストパフォーマンスに優れた製品を提供していくとともに、太陽光に関わる方々を様々な形でサポートし、国産電源である太陽光のさらなる普及に貢献してまいります」(呉氏)。

ライセンエネルギー株式会社
社長
呉建鋒氏

青山学院大学にてMBA学位取得。FIT政策の初期から中国大手モジュールメーカーに勤務し、日本での営業販売・発電所の開発建設・経営管理業務全般に携わる。
2020年にライセンに入社し、2021年より現職。

問い合わせ

ライセンエネルギー
東京都中央区京橋2-12-2NEWSXビル8階
TEL:03-3538-3533


取材・文:廣町公則

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